ウクライナでの軍事作戦を統括する総司令官に任命されたと伝えられるドボルニコフ将軍は、内戦中のシリアで残虐な戦い方で態勢を立て直し、多数の民間人を犠牲にした人物。5月9日の「戦勝記念日」を見据えて、プーチン氏に戦果を披露するという見方もある。
英国のボリス・ジョンソン首相は9日にキーウを電撃訪問し、装甲車120台などの軍事支援を約束した。ただ、英BBCは、マリウポリに残るウクライナ軍部隊が11日、「弾薬が尽きつつあり、今日がおそらく最後の戦いになるだろう」とフェイスブックに投稿したとも報じた。
東部戦線でのロシアとウクライナの激突をどう分析するか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「キーウから撤退したロシアにとって、ドボルニコフ将軍は切り札であり、戦勝記念日までなりふり構わず攻撃を強める可能性が高い。当然、民間人の犠牲は増える可能性が高い。西側諸国も軍事支援を行うが、大型兵器を中心に残り1カ月でどれだけ間に合うかは不透明だ」と指摘した。