かつて医学的に「性病」と呼ばれていた梅毒は、戦後まもなくの1948年には年間の患者数が22万人でした。その後、梅毒は抗生物質の発見によって激減していきます。67年には1万2000人だった患者数も、97年には500人まで減りました。
多くの人から恐れられていた梅毒は、いまでは怖い病気でなくなったようです。性病という言葉も死語となり、現在では「性行為感染症」と呼ばれています。その梅毒が2011年から増加に転じています
厚生労働省は全国の1042の医療機関で感染症の定点観測を実施していますが、昨年12月の発表では、日本全国で約34%、東京では60%ほど増加しています。ちなみに梅毒は全件数を報告しなくてはならない5類感染症に指定されています。
06年には112人だった患者数が20年には5784人に増えました。21年は7875人で過去最多になりました。今年も第9週時点で昨年同時期の946人を大きく上回る1587人となっています。