東京外国為替市場で円相場が一時、1ドル=125円後半と約6年10カ月ぶりの円安ドル高となる場面があった。円安は原材料価格の高騰を招き商品の値上げという形で家計の負担となるが、円安メリットを享受している企業や消費者も少なくないようだ。
12日のニューヨーク外為市場では1ドル=125円35~45銭。米消費者物価が急上昇し、金融引き締めを加速するとの見方が強まった。日銀は金融緩和を続けており、円の先安観が広がっている。
円安になると原材料や製品の輸入価格が上昇するため、輸入企業にとっては打撃が大きい。その半面、製造業を中心とした輸出関連企業には恩恵がある。
トヨタ自動車が2月に発表した昨年4~12月期決算では、サプライチェーン(供給網)の混乱により、生産台数の計画こそ引き下げたものの、円安が追い風となり営業利益は過去最高だった。
日産自動車や神戸製鋼所、任天堂、村田製作所といった輸出関連企業は通期の業績見通しを上方修正している。株式市場も乱高下する場面はあるものの、自動車、電機、精密機器などの銘柄は総じて堅調だ。