サッカーJ2大宮は11日、3月までJリーグ副理事長だった原博実氏(63)がフットボール本部長に就任することを発表した。原本部長はクラブを通じて「これまでの経験を生かして、全力で取り組んでいきたい」と談話を出した。
大宮は開幕9戦未勝利(3分6敗)でJ2の22チームで単独の最下位。2017年にJ1から降格し、5年目を迎えたJ2で、来季J3への自動降格圏(21、22位)に低迷している。2年目の霜田正浩監督(55)の解任説もささやかれていたが、原氏に白羽の矢が立ったことで、当面は安泰となった。
というのも原氏は、霜田監督と〝師弟〟の間柄。2009年、原氏が日本協会の技術委員長時代に、J2千葉のコーチだった霜田監督を技術委員としてヘッドハンティングした、ぶ厚い信頼がある。
大宮のフットボール本部長は事実上のゼネラルマネジャー(GM)職。クラブの成績に責任を持つ立場だ。前本部長は、親会社のNTT東日本で桃田賢斗(27)が在籍のバドミントン部で副部長だった佐野秀彦社長が兼務。サッカーは素人同然だっただけに、原本部長の手腕に期待がかかる。
原本部長、霜田監督はプロとして日本代表を強化し、ザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッジ氏の3人の外国人監督を招いたルートも持っている。
大宮は今季も「J1昇格」が目標。他のJ2クラブと比べて資金は潤沢だ。原―霜田のコンビにすべてを託す賭けに出た。 (編集委員・久保武司)