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ウクライナ侵攻で苦戦が続くロシアは、「情報戦」や「宣伝戦」でも敗色濃厚だ。ウクライナに批判的な「偽情報」で世論の攪乱(かくらん)を図るが西側諸国には通じない。逆にロシア国内の情報統制「鉄のカーテン」が災いして重要情報が政権中枢に届かないという皮肉な状況に陥った。ウラジミール・プーチン大統領は連邦保安局(FSB)所属の情報員約150人を追放したというが、さらなる混乱は避けられない。
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英紙タイムズによると、追放されたのは、プーチン氏がFSB長官だった1998年に設置された部門の情報員で、一部は「侵攻前のウクライナの実情に関し、噓の情報を報告した」責任を問われたという。同紙は、侵攻が難航していることに対するプーチン氏の怒りの表れで、旧ソ連の独裁者スターリン的な大粛清だと指摘した。
FSBをめぐっては、対外諜報部門トップ、セルゲイ・ベセダ氏らが自宅軟禁に置かれた。ウクライナ当局が欧州で活動するFSB工作員のリストを公開後、欧州など各国がロシア外交官の追放を決めている。
首都キーウ(キエフ)近郊の都市ブチャでは約400人の遺体が路上や集団墓地で見つかり、ロシア軍が住民の頭部を撃ち抜くなどしたと生存者が証言した。凄惨な様子は世界で大きく報じられた。ウクライナ検察は拷問や暴力の痕跡を消そうとロシア軍が遺体焼却を試みたとし、国際人道法違反だと訴えている。