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2011年の東日本大震災以後、全国で500棟余りの「津波避難タワー」が整備された。震災前には45棟にとどまっていたから、11倍に増えたことになる。ほとんどは海岸沿いで、近くに高台がないところだ。その7割が関東以西の太平洋側で、最多は静岡県の139棟、次いで高知県の115棟だ。
ところがその津波避難タワーを建設しても使われないケースが目立つ。
3月16日深夜に福島県沖で起きた地震では、宮城県石巻市大宮町での震度は5強だったが、タワーに上る人はいなかった。他のタワーも上った人は少なかった。
大宮町では東日本大震災で42人が犠牲になった。石巻市全体では死者・行方不明者は約4000人、浸水域人口当たりの死亡率も高く3・4%と甚大な被害だった。
その後、このタワーは住民の要望で作られたもので、15年に建てられた。高さ13メートルになる。ここは高台まで徒歩で約30分かかる。3月16日の地震は東日本大震災(地震名は東北地方太平洋沖地震)の余震だ。まだまだ続くし、もっと大きいものが来る可能性がある。