日本はこれまで、日米安全保障条約に基づく米国の軍事力と国連を安全保障の2本柱に据えてきた。いざというときは、米国の軍事的支援を受けるとともに、国連に訴えて、紛争の平和的解決を目指す。そういう対応である。
だが、中国が日本の尖閣諸島に触手を伸ばしているなか、米国はともかく、国連に訴えて問題解決に役立つのか。
中国が安全保障理事会の常任理事国である以上、拒否権を発動されるのは、目に見えている。ウクライナ侵攻で、ロシアに対する非難決議がロシア自身の拒否権発動によって、採択できなかったのと同じ構図である。
そうであれば、日本は米国との同盟関係に加えて、これまで以上に他国との連携を強化する以外に道はない。米英豪によるオーカスは、もっとも有力な連携相手になる。
日本は米英豪とそれぞれ緊密な2国間関係を築いているが、オーカスへの参加が実現すれば、各国との関係は一層強固になり、紛争抑止効果も高まる。日本は機会をとらえて、今後も参加への道を真剣に探るべきだ。