
ウクライナ有事や世界的なインフレ懸念を背景に、「究極の安全資産」とも語られる金価格の上昇が止まらない。これから金を買うにはちょっと手が届かないという人は、身の回りを探してみてほしい。自宅にも思わぬお宝が眠っている可能性があるというのだ。
地金大手の田中貴金属工業は15日、金の販売価格を1グラム当たり税込みで前日より63円値上げし、8869円と決めた。国内小売価格の指標としては4日連続で過去最高額を更新した。大阪取引所の金先物価格(税抜き)も13日夜から14日朝までの夜間取引で初めて8000円を超えた。
金は戦争や経済危機でも価値が暴落しない安全資産とされ、ウクライナ有事の深刻化を受けて投資資金の受け皿になっている。インフレで通貨の価値が下がっても、希少性が高い貴金属として価値が保たれるとも見込まれているようだ。
金は自宅に眠っている装飾品などに含まれるケースも少なくない。経済ジャーナリストの荻原博子氏は「金は含有量に応じて取引されるので、指輪やチェーン、時計なども売ることができる。形がゆがんだり切れたりしていても問題なく鑑定に出せる。金歯も売却可能だ」と解説する。