実況・小野塚康之 時代を超える名調子

高校野球人国記(2) 青森・田村龍弘 スラッガー捕手No.1! 高2の秋にコンバート、体は小さいがスケールはデカイ!!1/4ページ

ロッテで今季は2軍スタートとなった田村。期するものがある
ロッテで今季は2軍スタートとなった田村。期するものがある

キャッチャーで4番を打てる選手は素晴らしいと思います。長年にわたり私の中で甲子園で最もインパクトの強いキャッチャーは浪商の香川伸行でしたが、光星学院(八戸学院光星)の田村龍弘の登場でスラッガー捕手の№1が更新されました。

見た目にはドカベン香川の対極です。体は小さいがスケールがデカイ。田村は2011年センバツから4度甲子園の土を踏んでいます。打撃力はチーム内でも同僚の北條史也(阪神)とともに抜きんでた存在で、2年の甲子園で既に4番も務めていました。ただしポジションはサードでした。

第84回選抜準決勝の関東一戦で、4回に先制本塁打を放つ田村=2012年4月2日、甲子園球場
第84回選抜準決勝の関東一戦で、4回に先制本塁打を放つ田村=2012年4月2日、甲子園球場

田村がキャッチャーになったのは2年の秋でした。3年生では4番キャッチャーで主将も務めました。3年になってキャッチャーにコンバートされた田村には俄然(がぜん)興味が湧きました。田村は1年生から東北大会で3本塁打する衝撃的な長打力を見せ高い評価を受けました。このまま三塁を中心に守り、さらに打力を伸ばしていくものだと思っていました。4番サード田村がイメージに合っていました。ところがキャッチャーに挑むのです。

キャッチャーって野手と比べると大変じゃないですか。練習でも守りではワンバウンド投球のストップとか、各塁への牽制(けんせい)球や盗塁阻止の送球、全体練習のノックでもノッカーの意思をナインに伝えたり、それからブルペンに入って投手陣のボールを受けます。その間の練習では野手とは違いプロテクターやレガースを身に付け負荷がかかる状態で過ごすわけです。

その上、グラウンドを離れても投手と配球の打ち合わせや相手打者の研究などもあります。打撃に集中できる時間が短くなると思います。せっかく田村は秀でた打撃力があるのだから、もっともっと打てる環境をつくってあげればよいのではと思っていました。

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