そこへ維新は、大阪ガスESG推進室長の楠井祐子氏を担ぎ出したのだ。よって、福山氏は厳しい選挙戦を余儀なくされる。
注目の東京選挙区(改選数6)に目を転じる。
筆者が信を置く選挙アナリストの三木昌平氏の見立てを紹介する。
【当確】蓮舫(立民現職)、竹谷とし子(公明現職)【有力】山添拓(共産現職)、生稲晃子(自民新人)【当落線上】荒木千陽(都民ファーストの会新人)、朝日健太郎(自民現職)、海老沢由紀(維新新人)の各氏―。
三木氏によると、40~50歳代に圧倒的な知名度がある元「おニャン子クラブ」メンバーの生稲氏が自民票を獲り過ぎると朝日氏が危ないという。
と同時に、東京都議を2期務めた都民ファ代表の荒木氏には、小池百合子都知事という強力な後ろ盾がいるので、台風の目になると指摘する。
いずれにしても、参院選最大の焦点は32の1人区の行方である。自民が取りこぼしそうなのは青森、岩手、新潟、三重、沖縄などで、23勝9敗との見方が支配的だ。ただ、複数区は北海道、千葉、神奈川で2人当選の可能性があり、トータルで現有57議席超えも視野に入る。
となると、自民、公明両党で過半数は確実であり、岸田文雄首相は大胆な外交・安保政策を打ち出すことができる。「台湾有事」を念頭に「防衛計画の大綱」決定版に期待したい。 (ジャーナリスト・歳川隆雄)