ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍は19日、東部の制圧を狙ってミサイルや大砲による無差別攻撃を強めた。ウクライナ軍は祖国と独立を守るため徹底抗戦の構えだ。ジョー・バイデン米大統領は同日、日本や欧州の同盟国首脳らとオンライン会合を開催し、ロシアへの圧力強化やウクライナ追加支援を協議した。こうしたなか、ウクライナ軍が立てこもり、一般市民も避難している南東部の要衝マリウポリの「アゾフスタリ製鉄所」が注目されている。東京ドーム約235個分という敷地内には巨大な地下要塞が建設され、核攻撃にも耐えられるというのだ。
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「作戦は次の段階が始まった。作戦全体にとって重要な局面だ」「(東部2州を制圧するまで)作戦は続けられる」
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は19日、インドのテレビ局のインタビューでこう語った。ロシア国防省は同日、東部のルガンスク州のほか南部で計1260カ所をミサイルなどで攻撃したと発表した。
米国防総省高官によると、ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシア軍は過去数日間で11の「大隊戦術群」を戦線に投入し、現在76の大隊戦術群がウクライナの東部と南部で活動しているという。AP通信によれば、概算で兵力は5万~6万人に上る。