野村証券の金融チームが海外の大口投資家を訪問したところ、日本の銀行株に強い関心を示していることが分かった。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの経済制裁の影響が小さく、不良債権処理を終えて体力を蓄えた日本の銀行株が欧米金融大手よりも魅力的に映るようだ。
野村金融チームは3月30日から4月6日にかけて米、英、独、スペインなどの機関投資家と28件の面談をこなした。直近の顧客向けリポートでは、「訪問前の想定状に強気の投資姿勢」という印象だったと報告している。
強気の背景には世界的な金利上昇があり、インフレに強い銀行株が評価される環境は整っているようだ。米銀には収益の下押し懸念があるほか、欧州の銀行はロシア経済制裁の悪影響が懸念される。
一方、日本の銀行はロシア制裁の影響が相対的に軽いとみられ、不良債権比率が低いなど経営体質が強固な点が海外投資家に好印象を与えているようだ。日銀のマイナス金利もあって銀行株は低水準に張り付いているだけに、上値余地は大きそうだ。
【2022年4月13日発行紙面から】