半世紀余りの年月が流れ、さくらは「PLAN 75」の老人、ミチとなった。「男はつらいよ」シリーズ上映は、映画祭開催と重なる5月18日から第2弾が始まるので、パリの寅党は、倍賞のフランス入りを心待ちにしている。
今は倍賞の名演にカンヌ史上初の日本人の女優賞を願うばかりだ。早川監督は2014年、カンヌ国際映画祭のシネフォンダシオン部門で、やはり後期高齢女性が登場する「ナイアガラ」が出品され、世界中から注目をされた実力派。
寅年、天国の寅次郎はかわいい妹さくらのカンヌデビューを大喜びしていることだろう。
またコンペティション部門には、2018年「万引き家族」で最高賞パルムドールに輝いた是枝裕和監督が韓国で撮った「ベイビー・ブローカー」(6月公開)が選ばれ、今村昌平に続く2回目のパルムドール受賞に期待がかかる。 (小張アキコ)