警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識

石垣島を壊滅させた日本最大の大津波 地震のマグニチュードの割に大きかった原因〝海底地滑り〟2/2ページ

しかし、200トンの岩は71年の津波では動かず、もっと前の約2000年前の大津波で1000トンの石とともに上がってきたことが分かった。

つまり、大津波は過去何度も琉球海溝で起きて、71年の津波よりももっと大きなものも襲ってきたことがあったのである。

不思議なことがある。1771年の津波は地震のマグニチュード(M)から想定されるよりずっと大きなものだったことだ。地震としてはそれほど大きくはなく、震源に近い石垣島で震度4相当で、地震動による被害はなかった。

その割に津波が大きかったのは地震断層が起こした津波だけではなくて、海底地滑りが起きたと思われている。

世界各地で、地震が直接発生させるよりも大きな津波が起きたことがある。グリーンランドやニュージーランドで、M4クラスの小地震でも大きな津波が生まれて被害を生んだことがある。

恐ろしいことに、最近の研究では150~400年の周期で大規模な津波が来襲したことが分かってきた。私たちは、その最後の71年のものしか知らないのだ。「次」がいつかは今の学問では分からない。

だが確実に「次」が来る。しかも、いつ襲ってきても不思議ではない時期になっている。

現在は地震のMと地震断層の動きから津波の高さを予測して警報を出している。しかし海底地滑りはその予測を超えるものかもしれないのだ。

■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震―人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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