CSの衛星劇場は5~6月に「生誕100年 番匠義彰監督特集」として13作を放送する。番匠監督(1922~92年)は松竹娯楽映画のエースとして55年から10年間に38作を撮影。テンポ良く展開しつつ、嫉妬や笑い、哀切を巧みに描いている。
DVD化されている作品が少なく、面白いのに忘れられた存在となっていたが、今年2~4月に東京で特集上映が行われ、盛況となった。
5月の放送作品は、55年のデビュー作「かりそめの唇」や、有馬稲子がすし店のきっぷがいい看板娘を演じた明朗喜劇「抱かれた花嫁」(57年)、夏目漱石原作の「坊っちゃん」(58年)、岡田茉莉子がヒロインの文芸大作「橋」(59年)、トニー・ザイラーと鰐淵晴子共演の「銀嶺の王者」(60年)など。
冬季五輪金メダリストのザイラーは俳優に転身し大人気に。「銀嶺―」撮影で来日時、東京・羽田空港から築地の松竹までオープンカーに鰐淵と移動したところ、沿道はファンが途切れず手を振る盛り上がりとなった。