日本電産創業者の永守重信会長(77)が最高経営責任者(CEO)に復帰した。昨年6月に日産自動車出身の関潤社長(60)にCEO職を譲ったが1年ももたなかった。
これまで日産出身の吉本浩之氏やシャープ元社長の片山幹雄氏らを後継候補として招いたが、お眼鏡にかなわなかった。
永守氏は2020年に吉本氏を社長から降格させ、同じ日産出身の関氏を据えた。関氏は21年からCEOも兼務したが、永守氏は21日の記者会見で「1年でCEOを渡したのは早過ぎたと反省している」と本音を隠さなかった。
後任にバトンを渡せないカリスマ経営者はほかにもいる。ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(73)は02年に会長に退いたが、05年に社長に復帰した。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(64)も国内外から後継候補を迎え入れては退社するという事態を繰り返している。