乗客106人と運転士1人が死亡し562人が重軽傷を負った2005年の尼崎JR脱線事故は、発生から25日で17年となった。事故を起こしたJR西日本は、兵庫県尼崎市の現場に整備した「祈りの杜」で、追悼慰霊式を開催。発生日の式典はコロナ禍で中止が続いたが、今年は政府の緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置が発令されておらず、3年ぶりの実施となる。
コロナ禍のため、JR西は式典会場での参列者数を絞り、報道陣の立ち入りも代表撮影に限定。事故現場へ足を運ぶのがつらいという遺族らのために、兵庫県伊丹市に生中継会場を用意した。
発生時刻の午前9時18分に合わせ、式典を前にJR西の長谷川一明社長らは、電車が激突したマンション前で黙とう。
JR西は、事故を起こした全7車両や遺品を保存する施設を、24年に大阪府吹田市で新たに整備する。車両展示の在り方や一般公開の是非について、遺族らの意見集約と検討を進めている。