しかし、岸田文雄政権はロシアに厳しい経済制裁を科し、石炭などの禁輸にも踏み切りました。ウクライナに向け、防弾チョッキや防護服なども送っています。
日本は、米国、英国、オーストラリアの安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」に参加を打診されたとする一部報道もありました。これは「アジア版NATO」とも言えるものです。
あくまで「対中包囲網」を敷くための枠組みであればよいのですが、将来的にはロシアと対峙(たいじ)する可能性もあります。現在の状況でオーカスに参加すれば、日本が「戦場」になることもあり得ます。
私たちは「自由・民主・信仰」が政治の基本原則だと考えます。プーチン氏はロシア正教を復活させた信仰心の篤い人物です。政党登録要件の緩和や、(所得税率が一律である)フラット・タックスの導入など、政治や経済における自由化も進めており、この点、中国の習近平国家主席とは違います。
日本がこのまま安易に欧米に追随してロシアを敵対視し、国際社会で孤立させることは、中露接近を招きます。これはまさに「亡国の選択」だと言えます。やはり、ロシアは対中包囲網に入れるべきなのです。
岸田政権には「主敵」はあくまで中国だという視点を忘れることなく、現実を直視し、ロシアとの間合いの取り方を冷静に考えてほしいと思います。
そのうえで憲法9条の抜本的な改正や「非核三原則」の見直しを一刻も早く行い、自国を断固、守り抜く体制を整えてほしいと考えます。 (幸福実現党党首・釈量子)