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又吉直樹「火花」の吉祥寺 青春の彷徨の地を訪ねて 映画版、ドラマ版ではロケ地にも1/1ページ

井の頭恩賜公園の「井の頭池」
井の頭恩賜公園の「井の頭池」
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お笑いタレントで作家、又吉直樹さん(41)の芥川賞受賞作「火花」。2人の若手漫才師の青春の彷徨を描き、映画やドラマにもなった。主な舞台の吉祥寺周辺(東京都武蔵野市、三鷹市)は、又吉さんが高校卒業後に上京し、最初に住んだ三鷹市下連雀のアパートにも近い。

JR中央線吉祥寺駅の公園口から井の頭恩賜公園へと向かった。主人公で売れない芸人の徳永と、尊敬する先輩芸人の神谷は駅で落ち合い、この公園へとしばしば足を運ぶ。

小説さながら、緩やかな階段を下りていくと、「井の頭池」でボート乗りを楽しむ人々の姿が見えた。作品で、神谷と徳永は太鼓のような長細い楽器をたたく男性に出くわす。演奏をしてもらい、神谷は「太鼓の太鼓のお兄さん!」に始まる詩を大声で歌い出す。その現場は、どの辺りだろうかと想像を巡らすのも楽しい。

公園に近い「武蔵野珈琲店」は、雨にぬれた神谷と徳永が入った喫茶店のモデル。映画版、ドラマ版ではロケ地にもなり、それぞれで主役を演じた俳優の菅田将暉さんや林遣都さんのファンが〝聖地巡礼〟に訪れるという。

又吉さん自身がお笑いコンビ「ピース」でブレークする前の19歳ごろから実際に通い、読書をしていたそうだ。店主の上山雅敏さんはBGMのクラシック音楽にも、こだわりを持つ。又吉さんは作中で「同じフレーズを何度も繰り返すこの曲には聴き覚えがあった」と記した。「僕が好きなバッハのフルートソナタのことだと思う」と上山さんは喜ぶ。

すぐ近くの焼き鳥店「いせや公園店」で販売するシューマイは、小説とドラマ版に登場し、隠れた人気の一品だ。吉祥寺散策の楽しみは尽きることがなかった。

【メモ】小説にも登場する居酒屋「美舟」は、吉祥寺駅北口の商店街「ハーモニカ横丁」にある。一角は昭和の面影が漂う人気スポットだ

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