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青森競輪場で開催された「第4回施設整備等協賛競輪in青森 縄文小牧野杯」(GⅢ)は最終日の1日に決勝が行われ、河端朋之(岡山)が豪快にまくってGⅢ初優勝を飾った。阿竹智史(徳島)が2着に入って中四国勢が上位を独占し、3着は地元の新山将史(青森)。人気を集めた吉田有希(茨城)は完全優勝を狙ったが、8着に終わった。4日間の総売り上げは55億6787万2600円で、主催者が目標としていた50億円を大きく上回った。
レースは吉田-山岸佳太(茨城)-中田健太(埼玉)-武藤篤弘(埼玉)が後方から上昇して残り2周の赤板を迎え、前攻めの嵯峨昇喜郎(青森)-根本哲史(秋田)-新山が突っ張って打鐘へ。河端-阿竹が中団をキープしてHSに向かい、吉田は行き切れず河端の横で止まる。根本がBSで番手から出て行くが、その外を河端がまくり上げて押し切った。
「世界のカワバタ」が魅せた。アジア選手権ケイリン金メダルなどの実績を誇る。昨年7月にはナショナルチームを離れ、本業の競輪に専念する決意を表明したが、持病のヘルニアが再発し、昨年10月から今年2月まで欠場が続いた。復帰してからも本調子にはほど遠く、惨敗続き。「この点数と体の調子で優勝できるとは思っていなかったからうれしい」と笑顔をはじけさせた。
周囲からは「河端、今回調子戻ってるぞ」との声もあったが「(体調は)4割程度。トップスピードもまだまだだし、長い距離も踏めない。自力という自力を出せていない」と河端自身は納得していない。しかし、決勝戦は「踏み合ってくれればもしかしてチャンスあるかも」と優勝を狙っていた。思惑通り、嵯峨と吉田が叩き合いになり「なんとしても4番手だけは死守する」と好位を確保し「僕のほうが脚をためられていた分、踏めたと思う」と番手まくりの根本の上をあっさりまくり切った。
欠場の影響で今年はGⅠ、GⅡの出場が果たせていないが、この優勝で11月競輪祭の出場権を得たのは大きいし、現在実施中の8月オールスター競輪ファン投票にもつながるだろう。「これをきっかけにケガも治してまた上位で戦いたい」と前向きに復活ロードを進む。