夕刊フジでは、時代を彩るヒット曲を手がけてきたレジェンドのインタビューを重ね、秘話を掘り起こしてきた。今回は貴重なエピソードに再び光を当てる。初回は編曲家、船山基紀氏(71)が語る少年隊「仮面舞踏会」(1985年)だ。
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「とにかく好き勝手にやらせてもらったんですよ」と船山氏が振り返るのは、田原俊彦のセカンドシングル「ハッとして!Good」(80年)。「ディレクターと仲が良くて、曲ができたらすべておまかせという感じでした」というこの曲。
「グレン・ミラー・サウンドを1度やってみたいと思っていたんです。今思うと、アイドルにビッグ・バンド・ジャズって大胆だね。アレンジしている段階では、どういう子か知らなくて」
大きな期待を背負うアイドルとの仕事はかなりのプレッシャーだ。少年隊のデビュー曲「仮面舞踏会」もそうだった。
「とにかく関係者が多くて。事務所、レコード会社、出版社など、みんなすごく気負ってるの。絶対に1位を取って〝世界の少年隊〟にするんだって意気込みでね」