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防衛省・自衛隊のトップである岸信夫防衛相が、夕刊フジの緊急インタビューに応じた。ロシアはウクライナ侵攻と並行して、不法占拠する日本固有の領土、北方領土や日本海で軍事演習を強行した。北朝鮮は弾道ミサイルを頻繁に発射し、中国は沖縄県・尖閣諸島周辺への侵入を繰り返している。日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなるなか、日本はどのように、国民の生命と財産、領土・領海・領空を守り抜くのか。
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――ロシアによるウクライナ侵攻は、国際社会を一変させた
「国際秩序の根幹を揺るがす、国際法違反の行為である。このように一方的な『力による現状変更』は決して許されない。ロシアによる侵略を容認すれば、アジアを含む他の地域でも認められるという、誤ったインプリケーション(=含意)を与えかねない」

――ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどでは、住民が無差別に虐殺されていた
「無辜(むこ)の民間人が多数殺害されるといった残虐行為が明らかになった。このような行為は、重大な国際人道法違反だ。断じて許すことはできない。厳しく非難するとともに、ロシアの責任をしっかりと問わねばならない」
――自衛隊はウクライナに支援物資を提供している
「欧州のみならず、アジアを含む国際社会の秩序を根幹から揺るがす行為に対し、国際社会と結束して毅然(きぜん)とした行動をとることは、わが国の安全保障の観点からも大変重要なことだ。今後もウクライナに対し、できる限りの支援を行っていく」
――ロシアは4月、日本海で巡航ミサイルの発射演習を行うなど、日本周辺での軍事活動も活発化させている
「ウクライナ侵攻に際して、ロシアは全土から兵力を動員させている。3月15、16日に津軽海峡通過を確認した戦車揚陸艦は、ウクライナ方面への兵員・車両を輸送していた可能性がある。わが国周辺においても、ロシアの活動が活発化していることは懸念すべきものだ。引き続き注視するとともに、警戒監視活動に万全を尽くしていく」