――ロシアによるウクライナ侵攻は、自衛隊の重要性を再認識させた
「ウクライナで起こっていることは、まさにどこでもあり得る。アジアでも、力による現状変更の試みは起こっている。『わが国の防衛力の抜本的な強化』と『日米同盟の強化』『国際社会との連携の強化』。この3つが、これまで以上に重要になってくる」
――北朝鮮は3月に弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)の内側に落下させた
「北朝鮮は今年に入ってから非常に高い頻度で、また新たな態様でミサイル発射を繰り返している。24日には新型と考えられるICBM級の弾道ミサイルを発射した。これまでの一連の発射とは次元の異なる深刻な脅威だ。北朝鮮は、国際社会がロシアによるウクライナ侵略に対応している最中、国際社会に対する挑発を一方的にエスカレートさせる発射を強行している。許されない暴挙であり、断固として非難する」
――中国も連日のように、沖縄県・尖閣諸島周辺に武装した海警局船を侵入させている。4月3日には、中国海軍艦艇2隻が対馬海峡を通過した
「中国は東シナ海をはじめとする海空域において、力を背景とした一方的な現状変更を試みるとともに、軍事活動を活発化・拡大している。近年、中国の活動内容に質的な向上がみられ、実戦的な統合作戦遂行能力の向上もみられる。その動向について、引き続き重大な関心を持って注視していく」
――兄である安倍晋三元首相が「防衛予算の大幅増」を求めた。新聞各紙の世論調査でも、「防衛費を増額すべき」との声が高まっている
「防衛省として、現下の安全保障環境に対応できるような防衛力を抜本的に強化するため、必要な予算をしっかり確保したい。厳しさを増す安全保障環境のなか、『防衛力の強化には一刻の猶予も許されない』との認識のもと、スピード感を持って検討を進めていく」