憲法記念日(3日)向けに、報道各社が公表した世論調査の結果が、永田町などで注目を集めている。憲法9条を改正し、自衛隊の存在を明記することに「賛成」する声が「反対」を大きく上回ったのだ。ロシアによるウクライナ侵攻で、日本の厳しい安全保障環境や国防への関心が高まったことが背景にありそうだ。
注目の調査結果は別表の通り。
特に、毎日新聞では「賛成」がダブルスコアを超えて「反対」を上回った。昨年同時期の調査では「賛成」(51%)、「反対」(30%)だった。1年で「賛成」が7ポイントも増えたかたちだ。
読売新聞が「今後、日本が防衛力を強化すること」について聞いたところ、「賛成」64%で、「反対」27%となった。
自民党は2018年にまとめた4項目の改憲案に「自衛隊の明記」を盛り込んだ。党公約にも掲げた。改憲への機運を盛り上げるため、47都道府県で「憲法集会」も始めている。
今回の調査結果をどうみるか。
政治ジャーナリストの安積明子氏は「ロシアによる軍事侵攻で、『憲法9条があれば国は守れる』という主張がまったく成立しないことが証明された。『自衛隊明記』に反対する理由もなくなった。日本が、ロシアや中国、北朝鮮という、何をするか分からない国々に囲まれているなか、『自衛隊こそが頼れるべき存在だ』という世論の声を反映した、当然の結果だ」と語っている。
【報道各社の憲法9条への自衛隊明記に関する世論調査】
賛成 反対
読売新聞 58% 37%
朝日新聞 55% 34%
毎日新聞 58% 26%
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