和食店「みほり峠」「和み家」をはじめ、焼き肉・とんかつ・パンなど12の業態・25店舗を山口県と広島県で展開する「MIHORI」(山口市、藤井公会長、https://www.mhr.jp/)。
「みほり峠」第1号店がオープンしたのは1975年。「天ぷら定食とうどん」「刺し身定食とうどん」といった味噌汁をうどんに変えたボリュームメニューがファミリーを中心に人気となった。今ではすっかりおなじみだが、当時は画期的なアイデアだった「定食や丼ものとうどんのセットメニュー」を考案した草分け的存在が「MIHORI」である。
「新しいアイデアで商品を作り上げることに自信がある」と自負する同社は、15年ほど前に、地元山口県で収穫される小麦粉や野菜を使った乾麺の製造を思いつき、単細胞化バイオ技術を持つS社(山口県宇部市)と、打ち合わせと試作を重ねていた。この時すでに高齢だった、ペースト分解に詳しい同社社長から「技術を受け継いでほしい」と相談を受け、2012年、MIHORIがその特許と機械を引き受けた。
残念ながら、完成した「お野菜麺」はそれほど売れなかったが、ペースト技術の特許と機械は財産として残り、なんとか形にしたいとはじめたのが、「有機野菜まるごとペースト」事業だ。
10年以上前に引き継いだ機械は故障も多くなってきたところに、ホテルレストランショーにて同様の機能を持つプロセッサーを見つけ、カスタマイズして3年前より大量生産を可能にした。
MIHORIのペースト技術の特徴は、①皮や種までまるごと分解が可能なので、栄養素が失われにくく、素材を生かせる②残渣(ざんさ=残りかす)が少ない③酵素の触媒機能で低分子化しているため、他の食材と混ざりやすく用途が広いこと。