
ネットフリックスをはじめとする動画配信サービスで、映画などの再生速度を1・5~2倍にする「倍速視聴」の経験者が急増している。若者の半数近くがある程度の頻度で利用しているという調査もある。脳科学の専門家は「倍速視聴で感動するのは難しい」とする一方、効率よく学習や情報収集をする手段に使えると指摘する。
ネットフリックスでは最大1・5倍、ユーチューブでは最大2倍の速度で再生できる。多くのHDDレコーダーにも倍速再生機能が付いている。
動画配信などの事業を行うJストリームが20~59歳の男女444人を対象に実施した調査では、回答者の76・6%が「倍速で動画を視聴したことがある」と回答した。
年代別では30代の計55・8%が「いつも倍速で視聴している」「大体倍速で視聴している」と回答し、20代は計47・7%と2番目に多かった。
4月20日にはツイッター上で「倍速視聴」というワードがトレンド入りした。新年度から対面授業を再開した大学が増えたことで「オンライン授業は倍速で聞いてたので(対面授業は)ストレスを感じる」という学生の意見も多かった。
「倍速で繰り返し聴けば理解が進む」と肯定的な反応もあったほか、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の博士課程に在籍する学生らが発表した「講義動画は2倍速で視聴しても学習効果に変わりはない」とする調査結果も話題を呼んだ。