▽性的接触も
ウイルス性肝炎はその型によって感染経路や症状が異なる。
鈴木さんによると、A型は人が便中にウイルスを排出し、それに汚染された食品や水を介して感染するのが主な経路。貝のカキによる感染が知られるが、近年は輸入されたその他の貝での感染も報告されている。
A型、E型は急性肝炎で黄疸を起こし、劇症肝炎に進展する場合も。A型は食品の衛生管理の向上やワクチン開発などで2000年以降は減ったものの、16年ごろから男性間の性的接触を介した流行が世界各地で見られ、18年には日本にも波及した
B型とC型は血液や体液を介し感染する。1960年代には血液製剤のウイルス混入が社会問題化したが、現在は献血血液でB、C、E型の検査が施され、ほぼ心配なくなった。
B型ではワクチンが開発されて2016年、0歳児への定期接種が始まったのも朗報だ。ただ、性交渉による感染例が増加し、新規届け出の3分の2以上が性感染が原因と報告されている。
C型は近年、強力な飲み薬の抗ウイルス薬が実用化し、多くの人で治癒が可能になった。