▽予防策
多くの型の抑え込みが進む一方、届け出数が増えたのがE型肝炎だ。鈴木さんは「検査キットが11年に保険適用され、診断に使われ始めてからだ」と話す。年間の届け出数は400人以上になり、A型を上回る勢いだ。
発見当初、汚染した食べ物や水からの経口感染が主な経路とみられたが、1997年に豚からウイルスが見つかり、イノシシや鹿なども感染する人獣共通感染症と判明した。「発展途上国では依然、経口感染が問題だが、先進国では食肉からの感染が多いと考えられる」(鈴木さん)という。
症状はA型同様、急性肝炎か劇症肝炎。健康な人なら安静にすると自然治癒し、ほぼ慢性化しない。患者は男性が8割を占める。
予防策は生肉を扱う環境を清潔に保ち、肉を十分に加熱すること。特にウイルスの検出が多いレバーなど内臓肉には注意が必要だという。