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19世紀に世界各地を旅した英国人旅行家のイザベラ・バード(1831~1904年)は、明治11年に日本を訪れて北日本や関西地方を旅した。帰国後に刊行された道中記が『日本奥地紀行』だ。
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〈内地に住む日本人は「未開人」であるどころか、とても親切で、心優しく、礼儀正しい〉〈無礼な目にも強奪にも一度もあわないで旅することができる〉
外国人女性による異文化としての日本観察記は示唆に富むし、冒険的要素のある紀行文としても面白い。文明開化期の日本を記録した歴史資料としても重要な意味を持つ作品だ。
横浜を発って日本海側から北海道を目指した彼女は、日光に立ち寄った。宿泊したのは「金谷邸」。当時、日光東照宮の雅楽師だった金谷善一郎氏が、自宅の一部を外国人の宿泊に供していたのだ。
金谷氏はのちに本格的なホテル(現・金谷ホテル)を創設したが、バードが泊まった建物と部屋が保存されていて、いまは資料室と共に「金谷ホテル歴史館」として公開中。東照宮から中禅寺湖方面に約1キロ。国道を歩いていくと右手に2階建ての屋敷がみえてくる。挿絵の通りなので、あっ、ここだ、とすぐにわかる。約140年前にバードが見たままって、すごいな。