確認された中で最も日本に近接した海域での活動で、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が警戒監視に当たり、航空自衛隊が戦闘機を緊急発進(スクランブル)で対応している。
一方、台湾の国防部(国防省に相当)は6日、中国軍機18機が防空識別圏(ADIZ)に進入したと発表した。戦闘機J―11、同J―16、爆撃機H―6が含まれていた。中国軍機は台湾の南東側から中心に進入し、南西沖の「遼寧」からの発着艦と合わせた訓練を行った可能性がある。
中国軍の一連の動きをどう分析すべきか。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「ロシアはウクライナ侵攻で『力による現状変更』を正当化した。中国も『どんな軍事力も動かせる』と誇示し、米国や台湾の出方を見ている。不気味な連動だ。台湾のADIZへの中国軍機の進入と、遼寧の発着艦の動きは、上陸前作戦前の段階で、制空権を得るため、台湾本島を二方向から攻める挟撃作戦の演習とみられる。台湾空軍の対応力を試すものだ。今後も空母に随伴する艦艇数を増やし、同様の動きが増えるのではないか」と語った。