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マンショントレンド評論家・日下部理絵 建物であり生き物、違いを見つける面白さ 「居住者にとっての幸せを模索し続けている」1/3ページ

マンショントレンド評論家の日下部理絵さん
マンショントレンド評論家の日下部理絵さん

事情が変わった「住宅すごろく」

かつて「住宅すごろく」というものが存在した。新婚夫婦が賃貸アパートなどから生活を始め、分譲マンションを購入し、後に庭付き戸建て住宅に買い替えてゴールというものだ。しかしマンショントレンド評論家のこの人は、「今は分譲マンションが『終の棲家』になっている時代です」と話す。

「戸建てを買ったものの高齢になると2階に上がるのが面倒になります。そこで、子供の独立を機に、狭くなっても立地のよいマンションに移ろうという人も増えてきています」

背景には地価が上昇し続ける土地神話の崩壊がある。物件を転売しながら資産を大きくしていくことができなくなった。国土交通省の2018年度版「マンション総合調査」でも、「永住するつもりである」との回答は6割を超えている。世帯主の年齢は60代が27%と最多だ。

「ただ2030年には築30年以上のマンションが約405万戸になると言われていて、建物も人間も老いていく『2つの老い』に向き合う時代でもあります。築30年ともなると、大規模修繕などでお金がかかることが多いので、このままずっと住み続けられるのかという不安がつきまとうのも事実です」

このテーマに切り込んだのが、新刊「60歳からのマンション学」(講談社)だ。人生100年時代でも安心して快適に暮らせるマンションライフの実現に向けて、大規模修繕やペット問題など、管理で発生するさまざまなトラブルについての事例を紹介し、対応策などを提示している。

「古くなったマンションと高齢化社会の組み合わせは初めての事態です。今までは1回買えば、自分の年齢と家の寿命がそれほど変わらなかったんですが、人生100年時代ともなるとそうはいかず、もう一度すごろくを振らなくてはいけなくなるでしょう。1つの道しるべとして分かりやすく伝えられたらと、8つの事例を交えながら書き上げました」

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