この〝変わった先輩〟をどう自分なりに理解し、消化し、アウトプットするのか。
「エレベーターで純と2人きりになるシーンで急に笑い出すという奇抜な演技をしてみました。広瀬さんは見事にそれに反応してくれて」
脚本には書かれていない演出にも物おじせずにトライしている。
中・高校時代、ダンサーに憧れ、スクールを探したが、「ヒップホップのクラスがなかったので、ジャズダンスとクラシックバレエを習うことにしたんです」。
あっという間に頭角を現し、18歳のとき、テーマパークで躍るツアーダンサーのオーディションに合格する。
「1年間みっちりとプロダンサーとして踊った経験が、今の基礎になっています」
19歳で舞台「テニスの王子様」でデビューし、ミュージカルの魅力に開眼した。
そして10年前、大きな転機がくる。大舞台「エリザベート」で大役、ルドルフ役をつかみ、憧れの東京・帝国劇場に立った。
「満足…ですか? いえ、逆に大きな目標が見つかりました。帝王、トート役を演じたい、と」
このときのトートが、ミュージカル界の貴公子、石丸幹二だった。