皇太子・ルドルフ役を3回、6年間続け、大先輩の背中を追い、ついに3年前、トート役に。
「念願がかなったときは素直にうれしかったのですが、演じてみて、まだまだだな、と痛感させられて。課題は多くそれらを克服することが新たな目標になりました」
その目標の成果を披露するチャンスが近づいている。今年10月、再び「エリザベート」が開幕する。ライバルで盟友、山崎育三郎、井上芳雄とのトリプルキャストが早くも注目を集める。
年明けまで続く長丁場。気合の入り具合が言葉にせずとも体全体から伝わってくる。
ロングランだけにテレビ、映画はもちろん封印かというと、「どちらも新作が控えているので安心してください」とさらり。
若さで乗り切れるほど甘くはない。だから、人知れず体を鍛え、持久力を上げ、技術の鍛錬を日々積み重ねているのだろう。それがいまこうやって、この場に立っていられる証拠でもある。(ペン/波多野康雅 カメラ/彦野公太朗)
■古川雄大(ふるかわ・ゆうた) 俳優。1987年7月9日生まれ。34歳。長野県生まれ。2007年、ミュージカル「テニスの王子様」で舞台デビュー。「エリザベート」(12、15、16、19年)、「モーツァルト!」(18、21年)など出演舞台多数。映画「モエカレはオレンジ色」が7月公開。ドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?」(関西テレビ制作)は毎週月曜午後10時からフジ系で放送中。