「日本では歯科用CAD/CAMシステムがそんなに普及していなかった2010年に、私たちは日本CAD/CAM歯科学会を設立し、その後の修復治療や画像診断、矯正治療などのデジタル化の急速な進展を踏まえて、14年には日本デジタル歯科学会と改称しました。そしてこの学会は今年、日本の歯科医学の総本山でもある日本歯科医学会認定分科会の一員として承認されました」 学会の研究者と臨床現場の歯科医師、産業界の連携があってデジタル化は急速に進んでいる。
「歯科医療においてもデジタル化の急速な普及で新素材や新技術がどんどん開発され、保険適用も進み、安全・安心で、信頼できる治療が提供できるようになってきました」と末瀬氏。銀歯などは消え、新素材による白い歯が映え、その人の生き方も変わる。これが歯科医療におけるデジタル化の恩恵だ。 (取材・佐々木正志郎)
■末瀬一彦(すえせ・かずひこ) 大阪歯科大学卒、同大学大学院修了(歯科補綴学)。同大学歯科技工士専門学校・歯科衛生士専門学校校長、同大学歯科審美学室教授などを歴任。現在、一般社団法人・日本デジタル歯科学会理事長、奈良県歯科医師会会長。