勝負師たちの系譜

藤井五冠に立ちはだかる若手棋士 簡単ではない全冠制覇への道1/2ページ

叡王戦第1局で先勝した藤井五冠(右)と出口六段(筆者撮影)
叡王戦第1局で先勝した藤井五冠(右)と出口六段(筆者撮影)

藤井聡太五冠がタイトル獲得5つとなったことで、いよいよ期待されるのが、羽生善治九段が達成したのと同じ、全冠制覇である。

将棋界に詳しくない人だと「8つの内5つ取ったから、もうすぐね」と思うかもしれない。しかしここまで来ても、全冠制覇は容易ではないのだ。

羽生の時代よりタイトルが1つ増えて、八冠になったこともある。しかしそれ以上に残ったタイトルを目指す間、持っているタイトルをしっかり維持しなくてはならない、ということがある。

羽生の場合、七冠最後のタイトルとなった王将位を、一度は谷川浩司王将(当時)に阻まれた後、翌年もう一度挑戦するまでの間に、6回のタイトル戦ですべて防衛を果たしての再挑戦だった。

しかも王将挑戦は、7人のリーグ戦で優勝しないと、挑戦者になれないのだ。予選がトーナメントの棋戦は、1局でも負けたら、最低でももう一年後になってしまう。

藤井の八冠に向けた最初の歩みは、叡王戦の防衛戦から始まった。今回の挑戦者は出口若武六段。

叡王戦は段位別の予選だが、出口は本戦に進むたった1人の五段枠(挑戦者になって六段)から勝ち進んで、挑戦者となった。

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