民主党政権下の2010年1月にスタートした当連載は今回で3000回となった。この場をお借りして、読者、関係者に御礼申し上げたい。
民主党政権が誕生した当初、自民党関係者は「10年間は政権が戻ってこない」と言っていたが、12年12月には自民党と公明党の連立で安倍晋三政権に交代した。
08年9月のリーマン・ショックへの対応について、自民党とその後の民主党政権は完全に間違えていた。欧米各国は、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長を筆頭に、猛烈な金融緩和政策を実施した。
ところが、白川方明(まさあき)総裁体制の日銀は積極的な金融緩和をしなかった。相対的に円の希少価値が出たことで猛烈な円高になり、日本の国内総生産(GDP)を大きく毀損(きそん)させた。最近でも「円安亡国論」を主張する人は、この教訓を忘れている。