ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(69)をめぐり、「重病説」や「クーデター進行説」などの情報が相次いで出てきた。36歳の後継者候補の名前も浮上、「Xデー」は、早ければ1カ月以内にも訪れるとの見方もある。ロシア軍はウクライナ南東部の要衝マリウポリを「陥落」させたが、東部などでは苦戦も続き、損害も大きい。「プーチン後」を見据えて国内の複数の諜報機関が暗闘を繰り広げているようだ。
プーチン氏をめぐっては、英紙タイムズ(電子版)が「血液のがんで重病である」とのクレムリン(大統領府)に近い新興財閥「オリガルヒ」が語ったと報じた。露独立系メディア「プロエクト」や英紙なども体調異変について伝えている。真偽は不明だが、これまでもパーキンソン病やがんなどの重病説が伝えられてきた。
戦況は泥沼化している。ロシア国防省は17日、マリウポリのアゾフスタリ製鉄所を最後の拠点として抵抗していたウクライナ部隊が「降伏した」と発表した。露軍は侵攻開始から3カ月近くかけて、ようやくマリウポリを制圧したが、ほかの地域では苦戦も続く。
米国防総省高官は16日、ウクライナ軍が同国第2の都市、東部ハリコフ周辺で露軍を国境から3~4キロの地点まで後退させたとの分析を明らかにした。
東部ルガンスク州のガイダイ知事は、セベロドネツク近郊の2集落から露軍を撤退させたとした。ウクライナ軍参謀本部は侵攻開始以降の露軍の損害は約2万8000人になったと主張した。
英BBC電子版は同日、プーチン氏と、負傷説が出ていたゲラシモフ軍参謀総長が東部ドンバス地域での軍部隊の移動指示に直接関与しているとの見方を西側諸国の軍事筋の話として伝えた。