楽天・田中将大投手(33)が17日のロッテ戦(ZOZOマリン)で7回途中、今季ワーストの6失点(自責5)でKOされ、リードを守り切れず2敗目(4勝)を喫した。
味方が2回に先制するも3回、中村奨の同点適時打で追いつかれ、連続無失点は22イニングで止まった。6回まで最少失点で踏みとどまるも3―1の7回、岡にソロアーチを被弾。中村奨、佐藤都の連続適時打など一挙5点を奪われ逆転を許した。
石井監督は「不運な当たりで流れをつくられてしまった」とかばったが、田中本人は「最後、我慢しきれなかった。(内容は)何もよくなかった」と肩を落とした。
10日の同カードでは日本球界復帰後初の4安打完封勝利でチームの11連勝を支えたが、リーグトップだった防御率も6位の1・89に後退。それでもチームからの信頼は揺るぎない。
米大リーグから8年ぶりに電撃復帰した昨季はわずか4勝止まり。自らの希望で始めた公式YouTubeチャンネルでは自身の投球を解説しファンとの距離を縮めようと努力した一方で、チーム関係者の間では「マー君がハンドリングできない…」との声も挙がっていた。中心選手として球団初の日本一を経験した仲間も銀次、辛島など数名しか残っておらず「四面楚歌(そか)に陥りかけていた」の証言もある。
もともと人見知りなところがあり、環境に慣れるまで時間がかかるタイプではあるが、今年は昨年のようなことは減っている。球団関係者は「現時点ですでに去年と同じ4勝を挙げたけど、結果が出れば自然と後輩もついてくるし何より場が引き締まるよ」。2013年は24勝0敗1セーブでチームを牽引(けんいん)したが、勝ち星を積み重ねれば、9年ぶりV奪還実現はおのずと見えてくる。 (山戸英州)