岸田文雄首相と、ジョー・バイデン大統領による対面による初めての日米首脳会談が23日、東京で開催される。両国政府は、軍事的覇権拡大を進める中国を念頭に、東シナ海や台湾海峡をめぐる連携強化を打ち出す方針を固めた。共同文書にも明記する方向だ。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、一層の日米同盟強化を目指す。
「ウクライナは、明日の東アジアかもしれない」
岸田首相は今月5日、訪問先の英国での記者会見でこう語っていた。注目の日米首脳会談では、この懸念を共有したうえで、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認する。首脳会談時の共同文書への台湾明記は、菅義偉前首相が昨年4月、米ワシントンでバイデン氏と会談して以来だ。
日経新聞18日朝刊によると、昨年の共同声明(文書)では、「抑止の重要性を認識する」とした中国による力による現状変更や威圧的な行動への言及は、今回の声明で「抑止し(協力して)対処する」との表現に強められる見通しだという。
バイデン氏は訪日に合わせて、米主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を打ち出す。岸田首相周辺は、IPEFについて「米国がインド太平洋への関与を強めようとしている表れ」とみており、首相は参加を表明する見通しという。