ジョー・バイデン米大統領の初来日が迫ってきた。ウクライナ侵攻を続けるロシアの脅威が高まるなか、岸田文雄首相との日米首脳会談や、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会合が注目されるが、警戒すべき点もある。バイデン氏は来日直前、韓国を訪問するのだ。先週就任した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、日本との関係改善に意欲は見せるが、一連の「反日」暴挙にケジメを付けてはいない。バラク・オバマ元政権が慰安婦問題で介入してきたように、バイデン政権が韓国に利用される危険性もある。
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「バイデン氏、日本より韓国を先に訪問…来月21日に首脳会談」
韓国・中央日報日本語版は4月29日、こんなタイトルの記事を掲載した。尹氏が大統領就任後、歴代最短期間(11日後)で対面による米韓首脳会談を行うことを誇ったものだ。対面での日米首脳会談が、就任7カ月後となった岸田首相を当てこすったともいえる。
バイデン氏は20~22日に韓国を訪問し、22~24日に日本を訪問する。21日にソウルで米韓首脳会談を行い、23日に東京で日米首脳会談、24日にクアッド首脳会合を行う。
確かに、歴代米大統領は東アジア訪問の際、日本を優先してきた。ジェン・サキ大統領報道官は2日の記者会見で、過去60年近く、韓国を最初に訪れていないと認めたものの、「(訪問の順番は)あまり深く考えないでほしい」と語った。
異例の順番で実現する米韓首脳会談では、安全保障や経済、北朝鮮の核・ミサイルへの対応などがテーマになるとされる。聯合ニュース(日本語版)は、バイデン氏が日本・韓国との2カ国間・3カ国間の協力関係をアピールすると報じた。