韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の与党が、内政上の最初の大関門である6月1日の統一地方選挙で大勝する展望が広がりつつある。内政は外交の鏡だ。韓国の政権与党の地盤が強固になることは、世界の自由主義陣営にとって歓迎すべき動向だ。
しかし、韓国では依然として「反日左翼」の勢力が根強く広がっている。外交の小さな失点で流れは反転する。そうした事情を考慮すれば、日本が尹政権に法的原則は曲げない範囲で〝見栄えの良い花〟を持たせることも、1つの方策だ。
3月の大統領選挙は、わずか0・7%の差だった。それから2カ月の引き継ぎ期間に、尹陣営が高得点を挙げるような出来事はなかった。対日政策協議団の派遣は、朝鮮通信使をほうふつさせるような鳴り物入りだったが、誰の目にも見えるような成果はなかった。
大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏が身に着けていた安価な既製品(=サンダルやスカート)がバカ売れする軽佻(けいちょう)浮薄な動きはある。しかし、政権支持率は50%に届かない。
それなのに「統一地方選挙で大勝」という展望が出てくるのは、野党に転落した「ともに民主党」の落ちこみが著しいからだ。落ち込みを加速させているのは、中堅国会議員による「性犯罪」の発覚だ。
民主党執行部は昨年末の事件を隠蔽してきたが、5月16日になって、ようやく加害議員を除名処分にした。具体的内容は公表されていないが、執行部は「セクハラ事件」とは呼ばず、「深刻な水準の性犯罪」と述べている。