警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識

年間1メートルの隆起が続く硫黄島 いずれ噴火するには違いない 現在は自衛隊と米兵だけが居住2/2ページ

硫黄島では、明治以来、20回も水蒸気噴火や海面の変色があった。

ところで硫黄島の北にある海底火山、「噴火浅根」で3月の末、噴煙が確認された。21年に戦後最大の噴火が起き、軽石が沖縄にも流れ着いた福徳岡ノ場とは約130キロメートル離れているが、同じ東日本火山帯に属する。

北硫黄島は硫黄島の北方約75キロメートルにあり、南方約58キロメートルには南硫黄島があり、この3島が火山列島を作っている。3島とも同じく元は海底火山の島だ。まわりに「噴火浅根」など、いくつもの海底火山がある。北硫黄島は1780年、1880年と1930~45年に噴火したことがある。

「噴火浅根」の噴火はまもなく収まったが、硫黄島を含めて、いずれ噴火するには違いない。

硫黄島は第2次世界大戦末期の激戦地として知られる。45年2月から3月にかけて行われた硫黄島の戦いで、日本軍2万人以上が戦死し、米軍も戦死約7000人を出す大激戦が繰り広げられた。

この結果、硫黄島は米軍に占領された。米国海兵隊の手で星条旗を掲げるときに撮った写真は、米国バージニア州にある戦没者の専用墓地、アーリントン国立墓に建てられた海兵隊記念碑のモデルにもなっている。

いま、ここには自衛隊と米兵だけが住んでいる。68年に米国から返された復帰後の硫黄島は、海上自衛隊の硫黄島航空基地が置かれ、島内全域がその基地の敷地になっている。

島の人々は帰りたがっている。だが、民間人の立ち入りはできない。

島には食堂があり、自衛隊員と米兵のために24時間、開いている。

国土地理院と気象庁などの職員も、定期的に観測のために訪問している。日本人の楽しみは米兵が持ち込んだ、日本では発行禁止になっている米国のポルノ写真集を見ることだという。

■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『多発する人造地震―人間が引き起こす地震』(花伝社)。

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