「違法だが、(小池百合子)都知事に過失があるとまでは言えない」
何の話かというと、飲食チェーン「グローバルダイニング」が、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づいて受けた「営業時間の短縮命令」が違法だとして、東京都に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁が16日に下した判決の件である。
「(同店の夜間営業について)感染リスクを認める根拠は見いだし難い」「公平性の観点からも合理的な説明はされていない」「原告の不利益処分がやむを得ないといえる個別の事情があったとは認めることはできない」
こうまで言いながら、裁判長は「(小池氏が)命令を差し控える判断は期待し得なかった」「職務上の注意義務に反したとは認められない」と判断したのだそうだ。
読めば読むほど、ワケがわからない。
しかし、筆者もいい大人なので、事情を斟酌(しんしゃく)して、裁判長の趣旨を次のように読むこともできる。
「厳密には『違法』だけど、前例のないパンデミックの中で、小池さんは都民の命を守ろうと一生懸命だったんだから仕方ないよね。あれを罰することなんかできないよね」
でも皆さん、あえて思い出していただきたい。小池氏が5年前、石原慎太郎元都知事の豊洲市場移転の裁可に対してしたことを。