■大相撲夏場所 12日目=19日、両国国技館
弱い3大関が優勝争いのカギを握ることになった。西前頭隆の勝(28)=常盤山=が10勝目を挙げ、2敗で単独トップを死守。横綱照ノ富士(30)=伊勢ケ浜、東前頭6枚目の宇良(29)=木瀬、西前頭12枚目の佐田の海(35)=境川=が1差で追う大混戦となっている。
大関陣は3人とも負け越しの危機で、貴景勝(25)=常盤山=が宇良に敗れ6勝6敗。13日目に対戦する御嶽海(29)=出羽海=と正代(30)=時津風=はともに5勝7敗の崖っぷちで、八角理事長(元横綱北勝海)は「優勝争いで大関同士ならいいけれど、負けた方が負け越しでは寂しい」と嘆くしかなかった。
通常の場所の最終盤は横綱、大関の直接対決で締めくくられるが、この3大関全員相手にすることになれば、照ノ富士が一番有利かもしれない。
隆の勝はすでに上位との対戦が終了。宇良と佐田の海は割り崩しで大関との対戦が組まれる可能性もあり、そこで敗れれば優勝争いから脱落となる。
3大関の物足りなさを指摘された正代は「今場所はそういう場所なのかなと思って。あまり悩まずできたらと思います」と開き直ったが、せめて意地をみせて優勝争いをかき回してもらいたいものだ。 (塚沢健太郎)