ロシアによるウクライナへの侵略は、現在も続いている。ウクライナの人々は愛する家族や祖国を守るために、命をかけて戦っている。その姿を見て、日本人は何を学び取ることができるのか。安全保障環境が激変しているアジアに、そして日本に引き寄せて考えなければならない。
日本を、わが国を、祖国を守るのは、私たち自身である。今こそ「国民の生命と財産、領土、領空、領海、そして誇りを守り抜く」という、「覚悟と決意」を示さなければならない。
NATO(北大西洋条約機構)は加盟30カ国に対し、国防費支出をGDP(国内総生産)比2%以上という目標を掲げている。これは、各国の経済力に応じた国防努力を求めるものだ。この目標を達成するという認識を共有し、責任を果たすことで信頼が生まれ、いざというときに共に守り合え、助け合える紐帯(ちゅうたい=かたく結びつけるもの)となる。
日本には米国という同盟国が存在する。だが、自国を守る努力をしない国と、ともに戦ってくれる国は世界中どこにも存在しない。
ジョー・バイデン米大統領が22日、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」首脳会談に参加するため来日する。日米首脳会談も予定されている。この席で、日本の防衛努力強化への期待が表明されるのではないか。
日本は防衛費を大幅に増やして、米国や世界に対して自国を守るという「国家意思」を示す必要がある。「(防衛費は必要経費の)積み上げ」という意見もあるが、財務省主計局主査レベルの議論だ。「防衛費を5年以内にGDP比2%以上」というのは国家意思であり、責任目標の提示である。