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私の書庫には、写真プリントとネガをバインダーで綴じたアルバムが数多く保存してある。デジカメ登場前の1990年代末までの記録で、数人のスタッフが整理をしてくれていた。ブラジル・アマゾン、アフリカのセネガル、欧州各地、阪神・淡路大震災の現場など1テーマ1冊なので膨大な数だ。これらが未整理であれば、なかったものとして捨てられたかもしれないが、きちんと整理・保存してあると、かえって手のつけようがない。
■写真の重量・容量ゼロ化
そのアルバムを書庫から段ボール箱1つ分(6冊)持ち出した。ずしりと重い。体重計で測ったら8・6キログラムもある。ということは、書庫のすべての写真セットは数百キロにおよぶのでは、とゾッとした。
多種多様な書類、各種規格のビデオテープ、カセットなどの録音テープ、そして銀塩フィルム時代の写真。それらの整理が待ったなしなのは、データの劣化が進み、どんどん再生不能となっていることに加え、容積・重量が保存の限界にきているためでもある。
だが、それらをデジタル化すれば一部屋分、数百キロの記録が手のひらに載る量に圧縮できる。たとえば、数千円のUSBメモリーでも高画質写真が2万―3万枚保存できてしまう。これは、重量・容量がほぼゼロになるに等しい話だ。
しかし、その「重量・容量ゼロ化」には大変な手間と時間がかかるのが悩みどころだ。残りの全人生をデジタル化作業に費やすわけにはいかない。前回述べたように写真プリントは超高速スキャナー(PFUのスキャンスナップ)で一気にデジタル化できるが、ネガフィルムやスライドのデジタル化はハードルが高い。