ジョー・バイデン米大統領は19日午後(日本時間20日未明)、日韓歴訪に向けて首都ワシントン近郊の米軍基地を出発した。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、国際秩序の根幹が大きく揺らぐなか、日韓両国との「安全保障同盟を強化し、経済協力関係を深化させる」(ジェイク・サリバン大統領補佐官)意向だ。岸田文雄首相は対面による初の日米首脳会談で、中国の軍事的覇権拡大に対峙(たいじ)する、日米同盟の強化をアピールする。ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、バイデン政権の対日要求を「中国包囲の前線基地化」と分析し、政界屈指の「親中派」である林芳正外相の外交姿勢に強い警鐘を鳴らした。
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バイデン氏が22日から24日の日程で初来日する。日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会議に出席し、岸田首相とも対面による初の首脳会談を行う。
今回の訪日は、バイデン氏にとって、これまでになく重要な意味を持つ。いま世界の目はウクライナ情勢にくぎ付けだが、米国、そして日本にとっても、最大の脅威は中国であるからだ。「中国をどう封じ込めるか」が問われているのだ。
その際、日本や韓国は、どんな役割を期待されているか。一言で言えば「中国包囲の前線基地化」である。