休みボケが長引き、仕事の凡ミスも続くと気分は落ち込みがちだ。自分を責めながら奮起しようとしても、力が湧いてこない。「自分はいったいどうなったのか?」と思うようなことが続いたら、うつ(鬱)病の可能性があるので注意が必要だ。
「うつ病は、なりやすい素因に加えて、さまざまなストレスがあると発症しやすくなります。長期休暇などの環境の変化に伴うストレスや、休み明けのストレスをきっかけに発症してしまう人もいます」
こう話すのは、杏林大学名誉教授の古賀良彦医師。うつ病の診断・治療・研究を数多く手掛けてきた。
「うつ病の症状は、必ずしも気分の落ち込みが目立つわけではありません。やる気が失われて、頭が上手く働かない、体を思うように動かせないなど、思考や身体活動にブレーキがかかる症状もあるのです」
うつ病の症状は多様だ。気分の落ち込みやイライラなどの気分障害、やる気がでないといった意欲の喪失、体を動かす気持ちも失われ、思考にもブレーキがかかる。加えて、めまい、耳鳴り、腹痛など、自律神経に関わる症状も引き起こす。
連休などで体内時計が乱れても、自律神経症状が出ることがあるだろう。また、朝起きられない、仕事をするのがおっくうなど、以前のようにバリバリ働く気力が失われる人もいる。どこまでが休みボケで、どこからがうつ病なのか。早期段階での線引きは難しい。