勝負師たちの系譜

東京に負けたくないという気構え 西高東低の風やまず 毎日のように練習将棋…研究量は関東以上か2/2ページ

永瀬は棋界では数少ない「藤井に勝てなかったら自分の住む場所はない」と本気で考える棋士の一人である。

しかし関東と関西所属の棋士は、関東の方が2倍ほど多いことを考えると、棋界は完全に「西高東低」と言える。

現在、順位戦のA級以上(名人含む)11人の内訳は、関東5人で、関西は6人。そもそも棋士になるところの三段リーグは、この3年程、関西の三段しか上がっていないのだ。

やっと今年の3月、加瀬純一七段門下の岡部怜央三段(山形県出身)が昇段を果たしたのが、久々の関東の新四段だった。

この差はいったいどこに原因があるのだろうか。私の若手棋士の時代は、関東は理論派、関西は力戦派と言われ、関西は研究では勝てないが、力で勝負という風潮だった。従って久保利明九段(兵庫県加古川市出身)のように東京に移籍して修行し、成果が出たら関西に戻る、という棋士までいた。

しかし今は、関西の棋士が毎日のように将棋会館で練習将棋を指していて、多分研究量は関東以上であろう。

東京に負けたくないという気構えが、いつの間にか皆で強くなったのかも知れない。

■青野照市(あおの・てるいち) 1953年1月31日、静岡県焼津市生まれ。68年に4級で故廣津久雄九段門下に入る。74年に四段に昇段し、プロ棋士となる。94年に九段。A級通算11期。これまでに勝率第一位賞や連勝賞、升田幸三賞を獲得。将棋の国際普及にも努め、2011年に外務大臣表彰を受けた。13年から17年2月まで、日本将棋連盟専務理事を務めた。

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