北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」が沈没した事故で、「日本サルヴェージ」の潜水士が23日午前、深い海で活動が可能な「飽和潜水」により、船体のつり上げ作業を始める。順調に進めば24日に拠点となる作業台船「海進」に載せるといい、事故原因の解明が進展する可能性がある。
事故は23日で発生から1カ月。第1管区海上保安本部(小樽)によると、潜水士は23日、カズ・ワン後部を持ち上げ、海底との隙間にナイロン製の帯を通した上で、海進から下ろしたワイヤを取り付ける。その上で水深10~20メートルまでつり上げた後、網走港近くまでえい航するという。海進に載せた後は、数日かけて船内の海水を抜いてから陸に揚げる。
またカズ・ワンの船体左側中央部にある客室のスライドドアが開いていたことが、道警の水中カメラによる捜索時の映像で判明。沈没時に乗員が開け、乗客と脱出を図った可能性がある。